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小原 真司*; 鈴谷 賢太郎; 大野 英雄
Proceedings of 12th International Symposium on Molten Salts (Molten Salts 12), 99-41, p.253 - 262, 1999/10
溶融アルカリ炭酸塩は燃料電池の次世代材として大変重要であり、多くの研究がなされているが、その融体構造が明らかになったとは言い難い。本研究では、LiCO,Na,CO,KCO融体のX線回折及び中性子回折の結果について逆モンテカルロ法(RMC法)を適用し、その融体構造を詳細に解析した。その結果、いずれの融体においても、アルカリ金属イオンはCOイオンのコーナーサイトには存在せず、エッジサイトにおもにあることが明らかになった。しかし、すべてのアルカリ金属イオンがエッジサイトにあるモデルでは回折結果を完全には表現できず、フェイスサイトにも存在するモデルが良く表現できることが明らかになった。アルカリ金属イオンがCOイオンのフェイスサイトにも存在するという知見は、従来の分子動力学法などではCOイオンが剛体球近似されていたので、得られなかった情報である。